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高級住宅街は、世の栄枯盛衰を如実に示す

CHAPTER 01 田園調布に…

今から40年ほど前のことですが「田園調布に家が建つ!」というコントが流行りました。1980年当時「田園調布」は高級住宅街の象徴でした。しかし、現在、若くして成功した企業家で、田園調布に家を建てたいという人はいないかもしれません。
田園調布…確かに駅の西側・三丁目の同心円状に造られた街並みは見事ですが、商業施設が殆どなくて、都心の繁華街から遠い。3年程前に大東建託の元会長が、駅舎の目の前、三丁目の広い区画に豪邸を建てましたが、恐らく齢七十余の会長は古い価値観をお持ちの方、田園調布はある一定の年齢層以上の方の街となりつつあるようです。

CHAPTER 02 青葉台 ≧ 南平台町

現在、目黒区でピカ一の高級住宅街といえば青葉台でしょう。青葉台はExileの本拠地があって、芸能人や Hip Hop系の若者が集まる中目黒の北側、目黒川を谷とした高台の上にあります。旧山手通を挟んで北側は広壮な邸宅が建ち並ぶ渋谷区南平台町です。
青葉台は、南東に向かって下り傾斜になっており、住宅地としての条件は渋谷区側よりも上かもしれません。

CHAPTER 03 ソニー創業者の邸宅

今の若い人達には馴染みのない名前かもしれませんが、かつて青葉台2丁目にはソニーの創業者・盛田昭夫さんの邸宅がありました。往時には、ソニーの役員が頻繁に出入りし、社長を勤めた出井伸之さんは、盛田家の家庭教師として家族ぐるみの付き合いがあったと聞いています。

盛田昭夫さんが1999年に逝去され、妻の良子さんが2015年に亡くなり、最盛期には時価2,000億円あったという株式を手放し、盛田家は徐々にソニーから離れていきました。
路線価で坪400万円のエリアにある1,576㎡の敷地に建つ大邸宅、良子さんが亡くられた後の相続税は大変な額だったのではないかと思います。
結局、大邸宅は2017年に解体され、中古車販売の会社がこの土地を購入しています。

CHAPTER 04 高級住宅街は世の栄枯盛衰を如実に示す

一昔前のソニーはAV機器の会社でしたが、エレクトロニクス商品は中国勢に押されてしまい、AV製品が同社の売上に占める比率は20%程度になっています。現在では「鬼滅の刃」を制作した会社というイメージの方が強いのかもしれません。

一時期業績が低迷していたソニーは、見事に復活を遂げていますが、事業の構成は日本の電機メーカーが世界を席券していた時代とは、大きく異なるものとなっています。
世界一のAV機器メーカー築き上げた創業者の邸宅が跡形もなく壊され、縁もゆかりもない人手に渡る。高級住宅地の不動産の所有者の変遷には、世の移り変わりが反映されているのかなと思いました。

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