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差別化されたスイーツの集客力

女性が休みの日に一人で歩きたい街

弊事務所から、概ね徒歩圏内にある東横線自由が丘は、女性が休みの日に一人で Shopping 等に行ってみたい街ランキング (東京)で上位に入っています。Hanako 等でも定期的に自由が丘の特集が組まれています。目黒区役所商工課の人が言っていましたが、自由が丘に男物の店は殆どありません。思い浮かぶところで、Maker’s Shirts鎌倉ぐらいでしょうか。(オーダースーツの花菱があったのですが、今春閉店してしまいました)ブティック、雑貨店、スイーツの店、カフェ・レストランが集まっていますが、銀座・青山のようにビックリするような値段の店はないような気がします。また、女性が好きなものと言えばスイーツですが、自由が丘はスイーツの街としても知られており、駅から徒歩圏内に100店以上のお店があります。

商業立地について

お店の立地を見る時、皆さんはどういった事に注目するでしょうか。例えば、最寄駅に近い、人通りが多い、周りに色々なお店があって人が集まる場所(繁華性が高い)といったことが挙げられるではないかと思います。小売業/飲食店は立地産業とも言われ、立地がお店の売上を大きく左右すると言われます。

ところが、この商業店舗の立地の大原則をくつがえすのがスイーツなのです。

例えば、都立大学の地味な商店街の目立たない場所に Addict Au Sucre というフランス菓子の有名店があります。Addict とはフランス語で中毒という意味です。中毒になってしまうほど魅力的な訳ですから、一般的な立地の良し悪しは関係ないという事になるようです。

パティシエの考える「立地」

普通の人がお店を開く場合、恐らく家賃が高くなるけど人通りの多い場所にしようとか、2階にすると人がなかなか上がって来ないのでは… といったところで悩むのでしょうが、自分の商品に確信を持っているパティシエには、そういう発想がないようです。

鎧塚俊彦さん(故川島なお美さんの夫)の著書「職人力」に次のような一節あります。

「その為には、駅から離れていることが、大きな条件だと考えていた。駅に近いと便利に使われる喫茶店になってしまう。便利な喫茶店が悪いというわけではない。私の店は、わざわざデザートを食べに行く スタイルしたかったのである。その点、駅から離れていて、なおかつ店前の人通りもとても少なかったのが気に入った」

また、一日1,600本売れる小山ロールで有名な小山進さんの著書「丁寧を武器にする」には

「自分の中での定例の儀式として(笑)立地診断の会社に審査してもらうことにした。調査書には 一日の売上8,000円。来店客数8人。あなたには経営者としての資質なし。と書かれていた。それを読み、よっしゃ、この土地でええんや!と僕は喜んだ。もし立地診断の会社のお墨付きをもらうような土地だったら、僕はそこに出店しなかった。この手の診断会社は駅前や車通りの激しいロードサイド、もっといえば商業施設に出店するのが成功法則だと考えている。最初から人が多いところに出店するのがいいと思っているのだ。けれども、駅前や商業施設に出店しても、数年後に閉店している店は少なくない。もはや既存の成功法則では成功できなくなっているのだ」

さて、自由が丘の話に戻ると、差別化されたスイーツ店は、敢えてセンターを外したところにお店を出しています。世界一のパティシエ辻口博啓さんの本店(モンサンクレール)は駅から思い切り遠い場所にあって駐車場が一台分しかないのに、巡礼のようにお客さんがやって来ます。割と最近(2016年)にオープンした店だとビーントゥバー専門店(チョコレートの原料となるカカオの原産地で豆の厳しい選別をし、輸入後の焙煎から加工まで一貫して行う店)である Magie du Chocolat が挙げられます。この店も、中心街から完全に外れたバス通り沿いの地味な場所にありますが、スイーツの新しいトレンドを反映している所為か、バレンタインの時には自由が丘で一番長い行列ができる等、わざわざ探して来るお客さんが絶えることがありません。 という訳で、タイトルに戻って、商業立地の常識を覆してしまう差別化されたスイーツの集客力や恐るべし… と感じる次第です。

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